タシケント、混沌の市場ヤンギアバッドへ

Into the Chaos – Tashkent’s Wildest Market, Yangiabad

タシケント最凶マーケット・ヤンギアバッドへ

海外に行くと必ず市場、マーケットに行くようにしています。それは地元の人たちの生活が分かるから。

オランダ、ナールデンのこじんまりとした朝市。

オランダ・ナールデンの朝市

シチリア島、シラクーザの活気あふれる市場。

シチリア島シラクーザの活気ある市場

そしてコロナと戦争でめちゃくちゃになる前に行くことができた、ロシア・ウラジオストクのキタイスキーとルガバヤの市場。

ウラジオストクのキタイスキー市場とルガバヤ市場

もちろんウズベキスタンでも、いろんな市場に行った。サマルカンドのシヨブ。

サマルカンドのシヨブ市場

そして、タシケントが誇る(?)最凶マーケット「ヤンギアバッド」。ただ、心残りは、前回訪問時、この「ヤンギアバッド」を十分堪能できなかったこと。

出発とトラブル ― 地下鉄新線の停止

朝食を済ませパッキング。街歩きの準備です。さて、今日はどこへ? やっぱり「人間以外は何でも売っている」最凶マーケット、ヤンギアバッドへ行こう。

Yandex でアリシェール・ナヴォイの駅まで行き、そこからドストリクを目指します。

パフタコール、アリシェール・ナヴォイ複合駅の入口

その前に、現金が少なくなってきたので ATM でキャッシュを引き下ろし。 ドストリクの駅に着き、


地下鉄ドストリク駅構内

そこから新線に乗る予定が…ここでもトラブル発生。新線が動いていない。閉鎖されている。さぁ、どうするか? 仕方ないので Texnopark まで行って係の人に聞くと「バスで行け」という回答。 それなら、と腹をくくって Yandex でヤンギアバッドへ向かうことに。

Texnopark駅周辺の風景

帰国後に調べたところ、8月1日から10月末までは整備点検や保線作業のため閉鎖されていたとのこと。

そこまで事前調査はできず、その場その場での対応になったわけです。

渋滞と混沌 ― 市場の入口まで

無事タクシーを手配してヤンギアバッドへ。そこからがまたカオスの始まり。
それでなくても車が地獄状態のごとく混み合うヤンギアバッド。しかも日曜日。

運転手も目的地手前 500m くらいで「すぐそばだから、ここから歩いて行ったほうがいいよ」と言ってくれて下車。
ごった返す道を歩きながら、じわじわと“最凶マーケット”のコアへ近づいていく。

迷宮の中の世界 ― 「人間以外は何でも売っている」

中に入ると、まさにランダムにいろんなものが現れる。
日用品、食品、衣料品、もちろんマーケットに来る人たちのための食事処もたくさんある。 かなり怪しいものも、結構ある。

ヤンギアバッド市場入口付近

迷路のような通路を進んでいくと、プロフ用の巨大な鍋だけを売っている店、ドア(門扉だけ)、布団、使えるのだろうかと思えるようなリモコン。

巨大鍋や門扉が並ぶヤンギアバッド市場

ありとあらゆるものが並んでいて、「ここで揃わないものは人間くらいだ」と思えてくる。

さらに歩を進めると、生き物ゾーン。犬、ウサギ、小鳥、鶏、何でもかんでもあり。

ヤンギアバッド市場の生き物エリア

大陸ではないので、ニワトリやウサギのような食用になるもの以外は、おそらくペット・観賞用であることを願う。
一昨年は、小鳥を鳥かごに入れて地下鉄に乗っていた少年を見かけた。

近くの建物の中は熱帯魚館。色鮮やかな魚たちが、混沌とした市場の中で妙に浮いて見えた。


ヤンギアバッド市場の熱帯魚館

まさに「何でもあり」。 「人間以外は何でも売っている」というフレーズが、ここでは決して誇張ではないことがよくわかる。

探していた“アンティークの館”

今回、どうしても行きたかった場所がある。昨年は見つけられなかった、アンティークだけを集めた建物だ。
ソビエトグッズや、ちょっと怪しい日本がらみのものもあるらしい。

検索した画像で見る限り、テントではなく、ちゃんとした屋根のある建物の中――その記憶だけを頼りに歩く。

ヤンギアバッド市場のアンティーク館

そして、ついに見つけた「アンティークの館」。 ソビエト関連の怪しいもの満載で、とても惹かれるスペースだ。

ソビエト雑貨が並ぶアンティーク館

気になったのが、ソビエト関連の雑貨(新聞、通貨、当時の LP ジャケット、バッジなど)が揃っている一角。フランスの歌姫。パトリシア・カースのLPジャケットを見つけた。

ソ連時代のLPやバッジが並ぶ店

店主はプロフで昼ご飯中だったので、食べ終わるころを見計らって「これ、いくら?」と聞くと、「1つ 10,000 スム」とのこと。

ヤンギアバッド市場で購入したソ連都市バッジ

モスクワとかサンクト・ペテルブルクみたいにメジャーじゃない、よくわからない都市名が表記されたバッジを 5つほど購入した。合計 600 円くらい。

出口が見えない市場 ― それでもまた来たくなる

ただ、このマーケットはあまりにも広すぎて、もう一度見たいと思った場所にも、なかなか戻ることができない。
そんな「迷宮」なのです。でも、このマーケットが大好きです。

このヤンギアバッド市場は、単なる観光地ではありません。
ここには“暮らし”があります。混沌の奥にある“生活の息づかい”が、この場所を特別なものにしている。
秩序と混沌がせめぎ合うその中心で、ウズベキスタンという国の底力を感じました。
また必ず、ここに戻ってくるだろうと思います。

マーケットを堪能して、ふたたびタクシーでドストリクまで戻ることに。
とはいえ、このカオス状態では、タクシーを手配しようにも適当な場所が見つからない。 車が中まで入って来られないのだ。

ヤンギアバッド市場外周の混雑した道路

そこで、行きで通ってきた道を思い出しながら、タクシーが拾えそうな場所まで徒歩で移動。(といっても、そこそこの距離がありました)。 何度かの Yandex キャンセルを繰り返しながらも、無事タクシーに乗車。

帰路と昼食 ― 混沌から秩序へ

ドストリクからミンオリグまで戻り、タラス・シェフチェンコ通りへ。
昼ご飯は、いつもの Roni Pizza Napoletana で。

タラス・シェフチェンコ通りのRoni Pizza Napoletana

地元のホワイトビール Britz と、悪魔的おいしさのディアボラをテラス席でいただく。

ウズベキスタンのホワイトビール Britz

周りでは、タシケント版オクトーバーフェストの準備が絶賛進行中で、 大人数のツーリストポリスが控えている。

この国のすごいところは、彼らが見守ってくれているおかげで、安心して、そして夜でも不安なく街歩きができること。
お会計を済ませて駅まで戻ると、両脇には大音量を放つビール工房の屋台が並び、 地元のサルバストやロシアのパルチカなどのビールがずらり。 ウズベクレディも音楽に合わせてノリノリだ。

タシケント版オクトーバーフェスト準備風景

ビール屋台が並ぶタラス・シェフチェンコ通り

こうして、最終日の午後が過ぎていきました。カオスと秩序のあいだを行き来しながら、タシケントの午後は静かに暮れていきました。


Tashkent Fragments

The Shahar — タシケントに戻る場所
Uzbekistan 2025 Chronicles 目次

コメント

人気の投稿